感染症拡大によりリモートワークが増えるにつれ、対面で対話する機会が減ったことからオフィスを縮小する企業が増えましたが、ある程度落ち着いてきたので、またお客様をお迎えするスペースが必要となってきました。
改めて応接セットの購入を検討しているひとたちから、応接セットはいろいろなデザインや種類があるので、なにを重視して選べば良いかわからないという相談をよく受けます。
そのようなひとでも最適なインテリアを探せるように、お客様を迎える場にふさわしいソファやテーブルとはどのようなものか、おさえるべきポイントなどをご紹介します。
応接セットとは
まず、応接セットはどのようなものを指すのかを説明します。
応接セットとは、来てくださったお客様をおもてなしするための応接間などに設置する家具一式のことで、チェアとテーブルが必要です。
応接セットは来客者が利用することもあって、企業の顔として企業イメージを担う空間に関係するインテリアなので、その素材やデザインや色などにこだわって選択することが重要となります。
他のオフィス家具に比べて、価格も高いものとなるので、選ぶときはいろいろ検討したうえ慎重に選ぶようにしましょう。
気をつけるべきポイント
応接セットを選ぶ前にいくつか確認しておくポイントをまとめたので確認しましょう。
この2つのポイントを事前に確認しておくことで、適切な応接セットを選ぶための情報を整理することができます。
①応接スペースの広さ
応接セットを設置したいスペースを確認しましょう。
スペースの広さに対して応接セットが大きすぎると、通路が狭くなったり、他の家具が置けないなどの問題が考えられます。
お客様をお迎えするのに企業の印象を与える大切な場所なので、圧迫感を感じることのないレイアウトが重要となります。
一般的な応接ソファセットを設置する場合は、3.5帖から4帖以上あると広々と使うことが可能です。
どのくらいのスペースが使えるか確認するときに、併せて搬入経路や間口のサイズも確認しておきましょう。
②レイアウトとマナーについて
一般的なオフィスのソファと言えば、応接室に用意された来客や重役を迎えるためのソファですが、このソファとセンターテーブルの組み合わせが応接セットと呼ばれます。
応接セットの基本的なかたち
3人掛けのソファを1つ
1人掛けのソファを2つ
センターテーブル1つ
を組み合わせることで、レイアウトを整えます。
基本的なマナー
お客様には2.3人掛けのソファに座っていただく
ドアから遠いところに設置している椅子が上席となる
このことをふまえて、ドアから遠いところをソファにするなど、応接セットを置きたいオフィスにあったレイアウトを考えると良いでしょう。
スペースによっては、1人掛けソファを4つとセンターテーブルをセットにしたりするのも、狭い応接間などにはおすすめです。
応接セットを選ぶポイント
それでは、上記で説明したポイントを考慮したうえで、応接セットを選んでいきましょう。
応接セットにはいろいろなデザインがあるので、どのように選べば良いかわからないと思うので、ひとつずつポイントを紹介するので、好みのものを選んで最適な応接セットはどのようなものかイメージを固めましょう。
流れとしては、メーカー(方向性を決める)→ソファの形状→ソファに合ったテーブルを選ぶ、という順番で決めるのが選びやすいと思い、ここではその順で紹介していきます。
メーカーを選びましょう
制作メーカーによってそれぞれ特徴が異なるので、メーカーからどのような応接セットにするか方向性を決めることで、好みの商品を選びやすくなると思います。
メーカーごとの特徴をおおまかにまとめたのでチェックしてみてください。
①オフィスメーカー
商談を目的としたタイプ。礼儀正しい姿勢を長時間キープしやすいように少し固めのソファがおすすめ。
②一般家具メーカー
リラックス重視。メーカーが多いので一概にはいえませんが、体が沈み込むような柔らかいソファが一般的。
③デザイナーズ家具メーカー
素材やデザインにこだわりがあり高級志向。ハイブランドのものも多く、デザインを重視したソファが多い。
一般的な商談を目的とするような応接セットを希望するなら、オフィスメーカーのものを中心に検討するのをおすすめします。
オフィスメーカーの商品は、オフィスで使われるものをイメージして制作されているものが多いので、オフィスならではのインテリアとしてデザインされているものが多いのでイメージがわきやすいと思います。
ソファの生地の種類を選びましょう
生地とは、ソファの表面にしようされている張地のことで、肌に触れることもあるので肌ざわりなども注意して選びましょう。
張地によって値段も雰囲気も変わるので、お好みのものを探しましょう。
張地でよく使われている素材をいくつかご紹介するので、参考にしてください。
①ファブリック(布)
柔らかさや温かさを感じる素材。カラーバリエーションが豊富。水や汚れに弱いので注意が必要。
②合成皮革
天然の布地に合成樹脂を塗布し、レザーのような質感を作り出した素材。ソフトレザーやビニールレザーとも呼ばれている。加工や着色がしやすく、手入れしやすい。
③天然皮革(本革)
耐久性に優れていて保湿性が高い高級素材。寒い日でも暖かく、暑い時には冷たく感じる性質をもつ。こまめなお手入れが必要で高価。
合成皮革はお手入れが簡単で扱いやすい素材で、見た目も高級感があるので応接セットにはおすすめです。
ただ、本革に比べて安価な分、経年劣化しやすい素材なので、3~5年後に買い替えを検討する必要があるかもしれません。
フォアブリック素材はアットホームな雰囲気を演出するのに向いています。
品質にこだわり、重厚感と高級感を求める場合は本革が良いでしょう。こまめなお手入れが必要ですが、使うほど風味が出て何十年も長持ちします。
ソファのアーム部分を選びましょう
ソファの肘掛け部分が違うだけで、同じかたちや色のソファでも大きく印象が変わります。
また、応接セットを利用するうえで、直接手を触れることが一番多い部分でもあるので、劣化しやすい部分でもあります。
素材によって、雰囲気やお手入れも異なるので、それぞれの特徴を確認しておきましょう。
①張地と同じタイプ
本革製やファブレットなどの布製など素材はいろいろありますが、座面や背もたれ部分と同じ素材なので一体感がありシンプルな印象があります。中にクッション素材が入っているタイプも多く、横になるときの枕としても使うことができ、来客対応だけではない使い方もできるメリットがあるのですが、破れたり汚れたりと劣化しやすいので取扱いに注意しましょう。
②木製タイプ
何度も手が触れることで表面の塗装やコーティングが剥げたり傷がつくこともありますが、張地タイプと比べると劣化しずらくお手入れも簡単です。ソファ本体と素材や色味が異なることでデザインにアクセントをつけることができます。また、センターテーブルと色目を合わせると統一感のある応接セットを組み合わせることができます。
張地タイプは無難なデザインが多いので、どのようなテーブルにも合わせやすい特徴があります。
耐久性を重視するならば、木製の肘掛けを選ぶことをおすすめします。
ソファの座り心地を選びましょう
座り心地は、お客様が快適に過ごせるかどうかを決める重要なポイントです。
ソファは基本的な構造として、木製のフレームでソファの形状が組まれているものが多く、木製の骨組みでかたちを作り、スポンジ素材などのウレタン素材などで包みこむことで柔らかいクッション性を作るのがほとんどです。
その状態のものにいろいろな素材を組み合わせることによって衝撃を緩和し、安定した座り心地を作り出します。
いろいろな衝撃緩衝材があるので、よく使われているものをいくつかご紹介します。
①Sバネ
針金のような鉄製などの素材を波型にしたものを横に連結することでスプリングを作っているので、ソフトで柔らかいクッション性があります。柔らかい分負荷が分散しずらい形状になっているので耐久性にやや問題があります。
②コイルスプリング
バネのように縦巻きにされたコイル状のものを並べてスプリング状にしたもので、しっかりした座り心地のものが多いです。負荷が分散されるのでへたりにくく耐久性に優れています。ただ、ほかの素材のものより若干重い傾向があります。
③ウェービングテープ
弾力性のあるゴムのような繊維を使ったテープを布を織るように交互に編んでスプリング性を作ることで重さが軽減されたものが多いです。模様替えを頻繁に行う場合にはおすすめです。ゴムのように伸縮性があるので、跳ねるような弾力のある座り心地がします。並んで座ると端のほうがやや硬い座り心地になる特徴があります。
コイルスプリングは耐久性に優れていて長時間座っていても疲れにくいので、家庭やオフィスなど場所を選ばず使い勝手が良いと人気があります。
柔らかいと座り心地は良いのですが、まったりとしたくつろぐ雰囲気になりやすいので、商談などが多い場合はやや固めの座り心地のほうが、ぴりっとした空間を演出できるでしょう。
ソファに合ったテーブルを選びましょう
応接セットの基本的な組み合わせは、ソファ+テーブルなので、好みのソファが決まったら次はテーブルを選びましょう。
テーブルを選ぶポイントは、ソファと合わせることが重要です。素材はもちろん、色やかたちもいろいろなものがあるので、ソファに合ったテーブルを見つけましょう。
テーブルの種類をいくつかご紹介しておくので参考にしてください。
①長方形のセンターテーブル
ローテーブルタイプが応接セットに使いやすいでしょう。素材やカラーも多く揃ってるので、いろいろなソファに合わせやすいと思います。
②正方形のセンターテーブル
いくつかのソファで囲む場合などにおすすめなのが正方形のタイプです。高級感のある応接セットになるのですが、ある程度広いスペースを確保しないと雰囲気が出ないので気を付けましょう。
③サイドテーブル
一人掛けのソファを並べるときに間に置くなどすることで、設置パターンにバリエーションが増えます。3人掛けのソファを対面に置くと統一感が出るのでおすすめです。
④コーナーテーブル
ソファの横に置くことが多いですが、花瓶などのインテリアを飾るのに使ったりと、いろいろなところで役立つアイテムです。
サイドテーブルはセンターテーブルなどと色を合わせると統一感が出ます。
広い応接スペースでソファやセンターテーブルを置いても余裕があるようなら、コーナーテーブルにテーブルランプやお花を飾ることで上より品な印象のある応接間になるでしょう。
まとめ[オフィス家具の選び方]応接室/応接セット選定のポイントを解説
今回は応接セットの選び方やポイントについて解説しましたが、ポイントを順番に選ぶことによってお好みの応接セットのイメージはつかめましたか?
応接セットは、ソファ・チェア・テーブルを基本のセットとした家具で、お客様をお迎えする「企業の顔」となる重要なインテリアです。
素材によって与える印象に違いがあり、ファブリック素材を使った応接セットは気軽な雰囲気に、本革を使った場合では高級感ある空間を演出することができます。
素材やカラーを合わせることで統一感を出すことができるので、応接スペースや間取りを考慮したうえで、最適な応接セットを見つけましょう。
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