ここ数年、コロナや感染症対策として在宅勤務やテレワークが推進されてきました。 そのため、在宅ででも仕事ができるように家での仕事環境を整えるための準備金をだしてくれる企業もあるようで、多くのお客さまからオフィスチェアの購入について相談を受けることが増えました。
いろいろな相談を受ける中で多かったのが、「オフィスチェアの種類が多く、どれを選んでいいかわからない」といったものでした。 いろいろなものが店頭に並んでいると、なにを基準に選んだらいいかわからないですよね。
そこで、今回は長時間の在宅勤務やテレワークにおすすめのオフィスチェアの選び方について、これを抑えておけば間違いない!というポイントをいくつかご紹介させて頂こうと思います。
まずは『疲れにくいものを選ぶ』 在宅勤務やテレワークが中心になると長時間座ったままの状態が続き、腰痛や肩こりなどの不調が起こりやすいです。 自分に合ったオフィスチェアを見つけることで、さまざまな症状の改善が期待できます。
また次に『座り心地の良さ』 これも大切なポイントです。 居心地の悪い環境では、効率よく仕事をこなすことは困難です。
それではこの『疲れにくい椅子』と『座り心地の良さ』の2点を中心に、長時間の在宅勤務やテレワークに向いているオフィスチェアについて説明していきたいと思います。 ポイントを抑えることができれば、自分にぴったりのオフィスチェアがすぐに見つかるでしょう。 お気に入りのオフィスチェアを見つける参考にしていただければ嬉しいです。
疲れにくい椅子の特徴とイメージするポイントは?
ずっと座ったままで長時間の作業をすると、身体のいろいろな場所に負荷がかかってしまい、体調に不調をきたしてしまいます。 『疲れにくい』を意識することが作業効率を高め、仕事の質の向上に役立つのは間違いないです。 疲れにくい仕事環境を整えるためには、なにが必要でしょうか。 身体を預けることで負担を軽減することができるオフィスチェアは長時間の在宅勤務やテレワークにとって、とても重要なアイテムのひとつです。
猫背になったり、骨盤をゆがませた状態で長時間の作業を続けると身体の様々な部位に負担がかかってしまいます。
つまり、『正しい姿勢』をキープすると身体の負担が減り疲れにくくなるということです。 この正しい姿勢を維持するために、オフィスチェアは身体をフォローするのに適しています。 自分にあったオフィスチェアを選ぶことで楽に正しい姿勢を楽に保つことができるのです。
たくさんある商品の中から自分に合った疲れにくいオフィスチェアを選ぶために、まずはオフィスチェアを使用する環境はどういう感じか考えてみましょう。
また、インテリアを選ぶうえでTPOの確認はとても大事です。 どこで使うか?どれぐらいの時間使うか?スペースはどれぐらいあるか?など、人それぞれで好みや必要とする条件が違ってくると思います。 「届いたらオフィスの雰囲気と合わなかった」、「座った感じは良かったが長時間使っていると腰が痛くなった」、「ゆとりを重視して大きいものを購入したが思ってたより大きくて使い勝手が悪い」など、届いてからがっかりしないように、まず自分の使うイメージをまとめてからオフィスチェアを選ぶようにしましょう。
それでは イメージするために確認してほしいいくつかのポイントを紹介していきます。
①ディスプレイまでの距離
作業に集中しているとどんどん前のめりになって画面に顔が寄ってしまうことはありませんか?これはまったくもってNGです。画面までの距離が近すぎると身体にさまざまな悪影響が出てしまいます。姿勢が悪くなることにより腰を痛めたり、目が疲れてしまうことによってドライアイや眼精疲労を引き起こしたり、頭痛や肩こりを起こしたりと良いことがありません。ディスプレイの大きさにも異なりますが、できれば40cm以上開けるようにしましょう。
②画面の位置
人はまっすぐ立とうとするとき、少し顎を引いている状態が一番安定して姿勢を保てると言われています。人体の中でも頭の重さは結構な割合を占めていて、その重さを首だけで支えているのですから首への負担は相当なものです。首への負担の少ない姿勢を維持することで、長時間の作業も楽になります。ですから、モニターは座った状態でまっすぐ正面を見た状態よりやや下の位置にくるように設置するのが良いでしょう。
⓷座り方
座り方によって姿勢が悪くなることがあります。浅く座ることによって猫背になると首や肩こりの原因にもなり、腰痛も起こりやすくなります。椅子には深く腰掛けるようにしましょう。
④椅子の高さ
足が浮いてぶらぶらしていたり、足を曲げた状態で膝がデスクについてしまうと集中もできませんし身体への負担になります。楽に膝を曲げた状態で足の裏がぴたっと床に接してるぐらいの高さがベストです。
以上のことを、オフィスチェアを使う場所や状況に合わせて確認してください。ある程度のサイズや高さなど具体的な想像ができたのではないでしょうか。
座り心地の良さを決めるポイントは?
次は、具体的にオフィスチェアの性能というべき、使用感について考えていきましょう。
良い姿勢がキープできて疲れにくくなっても、座り心地が悪いと長時間作業を続けるのは負担になります。固い椅子にずっと座っているとお尻が痛くなって、集中して仕事を続けるのは大変です。
そこでオフィスチェアを選ぶための次のポイントは、『座り心地を良くする』です。 座り心地を良くするためには【素材(張地・クッション)】【背もたれのサイズ】【形状】の3つの条件がとても重要です。 それぞれ順番に説明していきます。
【素材】
オフィスチェアの座面や背もたれの表面に使用される生地の素材のことです。
まずは背もたれに使われる【張地】について説明します。
張地は、ほとんどの製品で『メッシュ生地』『ファブリック布地』『PUレザー』が使用されています。 張地の素材ごとに特性があり、それぞれで使い心地が変わってくるのでひとつずつ紹介していきます。
『メッシュ生地』
通気性に優れているので季節感を問わず使用できる。生地が薄めなので引っかけたりすると穴が開きやすいなど耐久面は弱め。隙間に埃がたまりやすい。=蒸れるのが苦手な人や長時間座ったままあまり動かない人向け。
『ファブリック布地』
水や汚れを吸いやすいが、肌触りが良く色の種類も豊富なのでインテリアとしても優れたものが多い。安価なものにも使われてることが多い。=在宅勤務やテレワークで部屋のインテリアに合わせておしゃれなデザインを求めてる人におすすめ。
『PUレザー』
撥水性が高いので汚れを拭き取ることができるのでお手入れしやすい。見た目が重厚感や高級感がある。通気性が弱いため蒸れやすい。=高級感のあるインテリアを意識したい人や清掃しやすさを求める人向け。
次に、座面部分に使われている【クッション素材】について説明していきます。
クッション素材は座り心地を左右する重要なパーツで、『メッシュ』『ウレタン』『モールドウレタン』でできているものが多いです。
『メッシュ』
張地を同じく、通気性が良く冷暖房に影響されにくいのでオールシーズン使える。身体へのフィット感が優れていて座り心地が良いものが多い。高度な技術が使われたメッシュ座面は高級なオフィスチェアでもよく使用されている。=蒸れにくく、フィット感もあるので長時間作業向き。
『ウレタン』
一般的によく使われている素材。クッション性があるので座り心地は良いがメッシュほど通気性はよくない。多くの製品に使われているのでデザインの種類も豊富。長期間使用していると型崩れすることもある。=多くのオフィスチェアを揃えたい場合や、在宅勤務やテレワークで部屋のインテリアに合わせて豊富なデザインから選びたい場合などにおすすめ。
『モールドウレタン』
ウレタンに比べると素材の密度が高いので少し固いがムラになりにくいので、貯時間使用していても型崩れしにくく、形状安定性が高い。複雑な形でもデザインすることができるので、形状デザインにこだわった高級な製品に使用されることもある。=在宅勤務やテレワークによる長時間作業する人や、固めの座面を好む場合におすすめ。
ふかふかの柔らかい座面でお尻が包み込まれるクッションも良いですが、骨盤を立てて座るのが難しいので姿勢が悪くなりがちです。 骨盤が立ってない座り方は腰痛のある人やお腹が出る原因にもなってしまうので要注意です。 骨盤の上部を背もたれにぴったりとくっつくように座ると自然と骨盤が立った姿勢をキープできます。 説明した条件を参考にして、姿勢をキープした状態で座れる自分にあった素材を見つけてください。
【背もたれのサイズ】
背もたれのサイズは姿勢を維持するのに重要なポイントです。 首から肩と、背中から腰の部分がS字ラインになるように支えてフィットすると、在宅勤務やテレワークによる長時間の作業でも身体の負担は少なく済み、肩こりや腰痛などの影響を受けにくくします。
背もたれは高さの基準として、腰上程度の高さの低いサイズの『ロータイプ』、肩口くらいまでの普通サイズの『ミドルタイプ』、首当たりまでホールドしてくれる高めの『ハイバック』とあり、それぞれ特性が違うので ひとつずつ説明していきます。
『ローバック』
すっきりしたデザインが多く、背もたれが低いので視野を遮らず圧迫感が少なくコンパクト仕様。フィット感が少なく安定しないので長時間の作業には不向き。安価なものが多い。=狭いオフィスや在宅勤務やテレワークをする部屋に置く場合、複数のオフィスチェアを置く場合などにおすすめ。
『ミドルバック』
ローバックに比べると、座り心地が安定している。圧迫感がハイバックよりは少ない。多く商品が販売されていてデザインも豊富。快適なフィット感とは言えないが無難な使用感。多くのオフィスで使用されているよくある形。=圧迫感を抑え座り心地を少し良くしたい人向け。
『ハイバック』
姿勢キープ力が高く在宅勤務やテレワークによる長時間の作業でも疲れにくい。リラックス感がある。背もたれで視野を遮られるため圧迫感がある。大きいサイズのもの、重めのものが多い。高機能チェアのデザインが多く比較的値段が高めの設定のものが多い。=長時間の作業をする場合や、腰痛や肩こりなどの持病を抑える効果がある。
店頭などで並べてみると違いがよくわかるのですが、背もたれの高さで印象がかなり変わります。 広い売り場ではちょうど良い大きさに思えたものでも、「在宅勤務やテレワークのために購入してみたが思ってたより圧迫感がすごかった」という相談もよく聞きます。 座り心地の良さは、ハイバックがもちろん性能の良いものが多いのですが、設置する予定の部屋の大きさや周りの環境なども考慮したうえで、自分好みの背もたれを探してください。
【形状】
ここでいう【形状】は、オフィスチェアの機能や形のことを指します。
背もたれ部分のリクライニングなどの『ロッキング機能』、『ひじ掛け』、背もたれの腰の部分についている小さいクッション状の『ランバーサポート』などについて紹介していきます。
『ロッキング機能』
ロッキングとは、チェアの背もたれの部分が固定されておらずゆらゆらと揺らすことができる機能です。 大きく伸びをしたときや振り返ったときなど、負担なく身体を動かすことができ、在宅勤務やテレワークによる長時間の作業で疲れた体を伸ばしてリラックスすることができます。 ロッキングにはいくつかの動き方があり、それぞれの特徴を説明します。
- 背もたれだけロッキング
背もたれだけが後ろへ動き、座面は固定されているもの。多くのオフィスチェアに採用されているよくある形状。
- 背もたれ&座面ロッキング
座面と背もたれが同じ角度で稼働するように座面と背もたれが繋がっているタイプ。
- シンクロロッキング
ロッキング機能の中で一番身体への負担が少ない形状。座面が動く量の倍ほど背もたれが動くシステム。背もたれをリクライニングさせて固定することができるタイプもあり、比較的高価なモデルで採用されることが多く、リラックス効果が大きい。
倒れる角度はオフィスチェアによってそれぞれです。力のかけ具合も物によって差があります。 使い方によっては体重をかけすぎてしまい、オフィスチェアが転倒してしまうこともあるので、安定しているかどうか、実際に座って確認すると良いかもしれません。 自分の使い方にあった形状のロッキング機能を選ぶようにしましょう。
『ひじ掛け』
ひじ掛け(アームレスト)が付いているものと付いていないものがあります。 ひじ掛けがあると、長時間の作業でも身体をフォローできるので負担が軽減できますが、 狭い空間で利用する場合は、アームレストがないほうが逆にスムーズに作業できることもあります。
アームレストを跳ね上げることができるものや、スライドして動かすことができるものなどいろいろなタイプがあります。 作業スペースに余裕があるようならアームレスト付きをおすすめしますが、在宅勤務やテレワークなどでデスク周りにゆとりがない場合やよく立ち歩く場合はアームレストなしのほうが使い勝手が良いかもしれません。
ランバーサポート
骨盤を立てた状態で座ること身体に負担の少ない正しい姿勢をキープするのに必要なのですが、ランバーサポートを背もたれの腰の部分に設置することによって腰への負担の軽減を図れます。 腰にぴったりとフィットすればするほど効果が高く、高価モデルのなかにはランバーサポートを動かして調整できるものもあります。
付いているかどうかで、値段も上下するので予算に余裕があるようなら付いているオフィスチェアをおすすめします。
【まとめ】長時間の在宅勤務・テレワークにおすすめの椅子・オフィスチェアの選び方
今回は、「長時間の在宅勤務・テレワークにおすすめの椅子・オフィスチェアの選び方」をテーマに解説して参りましたがいかがでしたでしょうか。
オフィスチェアを選ぶときは、正しい姿勢を維持することを意識して、座り心地の良いものを基準に選ぶと良いと思います。
イメージするポイントは、
- ディスプレイまでの距離
- 画面の位置
- 座り方
- 椅子の高さ
この4ポイントを具体的にイメージすることによって、自分に合った疲れにくいオフィスチェアを選びやすくなります。
また、快適に過ごすための座り心地の良さを決めるポイントは
- 素材①座面の素材②クッション素材
- 背もたれのサイズ
- 形状
この3つのポイントを抑えることができれば、満足のいくオフィスチェアがすぐに見つかるでしょう。
疲れにくいオフィスチェアを選ぶなら、メッシュ素材で通気性を良くし、ウレタン素材で形状を維持できる座面を選び、ハイバックの背もたれで全身を包み込むようにフォローするのが良いでしょう。
少しお値段が上がりますが、さらに快適さを求めるならひじ掛けや稼働できるランバーサポートがあるものがおすすめです。
まだまだこれからも在宅勤務やテレワークを推進した情勢が続くと思います。 お気に入りのインテリアのひとつとして長く愛用できるようなものが見つかると良いですね。 快適な在宅勤務やテレワーク環境つくりに、ぜひ参考になさってください。
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