一言でオフィスデスクと言っても、机の高さや天板の色などデザインによっていろいろな違いがあります。
一般的にオフィスで使用されているスチール製のものは、頑丈でしっかりしていて長く使用できることを目的とされて選ばれています。 スチール製はシンプルなデザインのものが多いため、デザイン性を重視したオフィスではあまり見かけることはありません。
デザイン性のあるオフィスデスクを選ばれるオフィスは、模様替えなどでレイアウトの変更をされることが多いのか、キャスターの付いているものが好まれる傾向があります。
オフィスデスクにはどのような種類があるのか、またどのような点を抑えておけば間違いないのか、これから新しいオフィスを作る、もしくは新しいデスクの購入を検討している方がインテリア選びに困らない情報をまとめたので是非参考になさってください。
『おしゃれで快適なオフィスを作るに必要なのは?』
オフィスや事務所を準備するとき、インテリアのかなめとなるのは『オフィスデスク』です。部屋の大部分を占める家具なので、オフィスや事務所の雰囲気に大きく影響します。
最近では、作業の効率化や働く社員の創作意欲を高めることを目的とした自由な空間を生かしたレイアウトや快適な環境を重視したオフィス作りが進んでいます。
そのため、シンプルなデザインのスチール製のオフィスデスクがびっしりと並ぶようなオフィススタイルは減り、スタイリッシュでおしゃれなオフィスデスクがいろいろなオフィス家具メーカーから発売されるようになりました。
デザインでおしゃれ感を出すのはとても簡単なことですが、オフィスの雰囲気に合わないとせっかくのデザインが生かされることなくもったいない結果になってしまいます。
つまり、おしゃれで快適なオフィスを作るには 『オフィスの雰囲気に合ったデザインのオフィスデスクを選ぶこと』なのです。
『オフィスデスクを選ぶポイントは?』
社員が快適で心地よく仕事をするオフィス空間を作るにあたって、抑えておきたいポイントは2つあります。 この2つのポイントはオフィスデスクを選ぶうえでも抑えておきたいポイントとも言えます。
- ①動線を意識したレイアウト→オフィスデスクのサイズや形を決める
- ②オフィスの雰囲気とオフィスデスクの調和→オフィスデスクの色やデザインを決める
狭いシンプルなオフィスに重厚感のあるオフィスデスクが所せましと並んでいると、圧迫感を感じたりちぐはぐした印象を与えてしまいます。
オフィスデスクを選ぶ際は、オフィスの面積、間取り、収納などを考慮し、床や壁、天井などと色や素材を合わせると調和がとれ、おしゃれな空間を演出できます。
それでは抑えておきたいポイントをひとつずつ順番に説明していきます。
①『動線を意識したレイアウトを決めて、オフィスデスクの奥行や幅を決める』
狭いオフィスではなかなか難しいかもしれませんが、作業効率のアップや快適なオフィス空間を保つためにもある程度の通路の幅を確保することは重要です。
必要な通路幅をおさえたうえで、オフィスデスクの奥行や幅の算出しましょう。
人が行き来できるぐらいの通路幅
- 座席の後ろが壁の場合・・・1,200mm以上
- デスクを横ならびにした場合・・・900~1,200mm
- デスク同士が背を向けてる場合・・・1,500~1,800mm
これぐらいのスペースを確保できると、スムーズな動線を確保できます。 人がよく行き来する通路は、人がすれ違えるぐらいとして1,200mm以上の通路幅で計算してレイアウトを決め、それに合わせてオフィステーブルの奥行や幅を決めると良いでしょう
災害時の避難経路を確保するためにも、できれば人がスムーズに行き来できるぐらいの通路幅が確保できるようにレイアウトしましょう。
②『オフィスの雰囲気とオフィスデスクの調和から形や色を決める』
オフィスデスクのサイズ(奥行や幅)は具体的な数字が見えてきたと思うので、次はデザインです。 機能性などからオフィスデスクには様々な形があります。 一人で多くのパソコンを並べて作業するワークスタイルに向いているオフィスデスクの形は?抱えているスタッフの人数は多くてもフリーアドレス形態での勤務が主体ならば社員ひとりひとりに大きなオフィスデスクは必要ない場合もあります。 オフィス形態に合わせて、どのようなデスクが必要なのか考えてみましょう。
それでは、まずは形の部分から。 オフィスデスクにはどのような種類があるのか、順番に説明していきたいと思います。
〈オフィスデスクのかたち〉
- 平机
シンプルな形のデスクで、引き出しがついていないデザイン。無難なデザインなのでレイアウトしやすいが、収納が不足するので棚などを補足する必要がある。
- 両袖机
左右両方に引き出しがついている形のもの。収納力が高い。引き出し二個分+座るスペースが必要で大きめのデザインになる分、作業スペースを広く確保できる。
- 片袖机
左右のどちらかに引き出しのついたデザイン。よくある一般的なオフィスデスクや学習机の形です。座る位置や収納が限定されているので、配置など固定されてしまうことも。
- L字型デスク
椅子を置くスペースを囲むようにL字型になっているもの。複数のモニターを並べつつデスクワークできるスペースを確保できる。どうしても大きくなってしまうのである程度のスペースが必要。
- ラウンドデスク
L字型デスクに近く、椅子を囲むように少し天板が凹んだ形をしているデザイン。正面にモニターを置くとデスクの左右を肘置きとして使うこともできるものも。
- 昇降デスク
高さの調整ができるもの。オフィスチェアに合わせたり、立って作業する場合にも使える。調整部分が重いものもあるので、レイアウト変更を頻繁にする場合はキャスターの付いてるものを選ぶと良い。
- フリーアドレスデスク(ロングデスク)
大型デスクとも呼ばれる長机のようなデザイン。複数の人が一つの机に座ることができ、会議室などでもよく使われている。固定席を設けないフリーアドレススタイルのオフィスにもおすすめ。
- エグゼクティブデスク
社長机とも呼ばれる役員や役職の高い人が使うイメージのデスク。重厚感のある造りやシックな色を使い高級感のあるデザイン。素材なども高級品が使用されていることも多く、値段も他のオフィスデスクと比較すると高め。多くの書類や資料の取り扱いもできるよう広くて大きい天板のものが多い。
以上、オフィスデスクにはいろいろな種類があり勤務形態によって必要な形を選ぶことを説明しましたが、オフィスのデザインでオフィスデスクの形を選ぶと良い場合もあります。
例えば、壁面収納や大きな棚がたくさん設置されているオフィスでは、大きな棚のついたオフィスデスクは必要ありません。 大きな棚があるオフィスでは邪魔になってしまうこともありますし、見た目的にも圧迫感が出てしまうと快適な空間とは言えなくなってしまいます。
モニターをたくさん並べたい場合には大型デスクや長さのあるもの、重厚感を出したい場合はエグゼクティブデスクなど、オフィスのデザインとの調和を考えるとオフィスデスクのデザインを選びやすいと思います。
〈オフィスデスクの天板のカラー(色)〉
印象を決める重要なポイントである色ですが、天板はカラーバリエーションが豊富で色によって与える印象も様々です。 カラーによって特徴が異なるので、オフィスの雰囲気に合わせて選びましょう。
オフィスで人気のあるカラーの一部を紹介します。
- 黒系(ブラック)
クールな印象が強くシックでモダン。汚れが目立ちにくい特徴があるが室内の印象が暗くなりがち。壁紙を明るくすることで落ち着いた印象にもなる。
- 白系(ホワイト)
シンプルで明るい印象を与えることができる。他の色にも合わせやすい。汚れや傷がついたときに目につきやすいが清潔感がある。
- 茶系(ナチュラル・ライトブラウン)
木目などナチュラルな印象を与えることで温かみのある雰囲気になる。明るい色ほど部屋全体も明るくなる。
- こげ茶系(ダークブラウン)
シックな暗めの茶系は重厚感があるため、壁紙なども同系色に合わせると落ち着いた印象を高める。
- 灰色系(グレー)
役所や事務所でよく見られるため、そのイメージが強い色。使いやすく無難。シンプルなデザインのものによく使われている。
色を選ぶときは、同系色のものを選ぶとオフィスとの調和がとれやすいです。 壁の色や床の素材などから同系色のものを合わせると、一体感のある落ち着いたデザインのオフィスになります。
逆に、刺激が欲しかったりインパクトを付けたい場合は対抗色やアクセントカラーを取り入れると一気におしゃれ感がアップしますが、なかなか加減が難しいのでおしゃれに自信のある方におすすめします。
〈オフィスデスクの脚の形〉
オフィスデスクは脚の形もいろいろあって、デザインだけではなくワークスタイルにも大きく影響を与えます。 それぞれの特徴をまとめたので、オフィスに合った脚の形を見つけましょう。
- T字型
アルファベットのTを逆さにしたデザイン。サイドも足元もすっきりしているので回転椅子やひじ掛け付きの椅子などとも相性が良い。
- 四本脚型
よくある定番のデザイン。ダイニングテーブルや会議室などの机としてよく見かける。足元にがたつき調整の付いているものが好ましい。
- L字型
L字型の脚でしっかりと天板を支えるデザイン。サイドが幅広いものが多い。スチールデスクや学習机でよく見るタイプで、足元がすっきりしている。
- ループ型
□の形をした脚で、サイドが開いているのですっきりとしたデザイン。スチール製のものが多いが比較的軽め。
脚の形で重さやデザインが大きく異なります。 サイドが開いているとすっきりとした印象を与えますが、足元が丸見えになることもあるのでレイアウトには気をつけたい部分です。 オフィスの雰囲気やレイアウトを考慮して選ぶようにしましょう。
【どのようなオフィスにどんなオフィスチェアがおすすめ?】
ここまで、いろいろなオフィスデスクについてお話してきましたが、ここからはどのようなオフィスにはどんなオフィスデスクが適しているか、使用ケースごとに紹介していきます。
IT系
パソコンやモニターを複数台設置することの多いこの職種には、広くて大きなオフィスデスクがおすすめです。 奥行のある幅の広いものを選ぶと作業効率がぐんとアップするでしょう。 平机や袖付き机、ラウンドデスクやL字型などのデスクだとモニターを置いても作業スペースを確保しやすいのでおすすめです。 また、フリーアドレスのワークスタイルをとってるところも多いと思うので、フリーアドレスデスクの活用も良いでしょう。 コードや配線が邪魔にならないように、デスクに収納できるスペースのついたデザインも使い勝手が良いと思います。
一般事務系
書類作業が中心で作業するスペースを確保しつつパソコンも使用できるデザインが好ましいです。 書類仕事に必要な事務用品の収納ができること、ある程度の大きさがあるものと考えると、平机・袖付きのデスクがおすすめです。 必要な収納量やデスクの使い方などを考慮したうえで適切な大きさのものを選ぶようにしましょう。
書類仕事系
書類仕事をするには作業スペースのほかに収納スペースを配慮したデスク選びが必要です。袖付きデスクや棚付きのようなデスクを選ぶと、収納能力が足りているのでデスクの大きさを小さくしても不足なく使うことができます。平机などの収納能力のないデスクを選んだ場合は別途棚や収納スペースを設置しなければいけないので、ある程度の設置スペースや作業スペース確保のために大きめのサイズを選びましょう。
会議室
大人数での打ち合わせや作業を行うには、大きな机が必要です。シンプルな平机や長机が作業もしやすく配置しやすいでしょう。 レイアウト変更を頻繁に行うようなら、キャスターのついたものや軽量のものが使い勝手がよくおすすめです。
オープンスペース
フリーアドレスのオフィスや休憩所などのオープンスペースで利用するには用途に合わせて調整しやすく動かせるものが良いでしょう。 高さの調整できる昇降式のデスクや、キャスターのついた軽量のものが適しています。 どのような雰囲気にも合うシンプルで清潔感のあるものが使いやすいと思います。
このオフィスはどのような使い方をするかを考えて、用途に合ったデスクを選ぶようにしましょう。
これまで、おしゃれなオフィスに似合うオフィスデスクの選び方についていろいろと説明してきましたが、抑えるべきポイントを確認できましたか?
オフィスを作るにおいてオフィスデスクは、ただオフィスの印象を決めるだけではなく、作業効率や環境を整えるのに大切なアイテムです。
おしゃれで快適なオフィスデスクを活用したクリエイティビティを高めるオフィス作りに役立てていただければと思います。
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